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医療機関の在り方について

キラが亡くなってもうすぐ2週間経とうとしています。あっ、と言う間に時は過ぎるのだなぁ、と実感。
キラの死は、私にいろいろと考えるきっかけもくれました。


「キラの死」が考えるきっかけになったことの一つが、医療機関の在り様について。
「死」という結果は同じだったとしても、診療機関が誠意ある対応してくれたかどうかで 飼い主の気持ちの落ち着き方は違うのではないか、と思います。そういう意味では、キラの最期はとても残念な対応をされました。
こういう書き方をすると、結局のところは 命を救えなかった病院を責めているように受け取られるかもしれませんが、そういうことではないのです。「気胸」という病気は突発性で予防もできないし、キラのように「緊張性気胸」という症状まで進んだケースは再発率も高く、通常の生活には戻れなったであろうことも分かっているので、天命だったのであろう、と考えています。
私の知人の方の犬が、同じ病気で、病院から同じような対応をされ、昨秋 亡くなったことを、最近 知りました。
「気胸」という病気は、発症例自体が少ないのか 獣医師に知識がなかった、ということが キラにとって不幸でした。痩せている若いオスがかかりやすい、と言われていて、ドッグスポーツをしている犬なら発症の可能性があることも、このトピックを書こう、と思った一因です。



キラの最期の1日の診療は、横浜市磯子にある外科の執刀で有名な病院で受けました。
この病院で キラは過去に3度、「腸閉塞」の手術を受け 命を救ってもらいました。ただ、2年前に病院の体制が大きく変わり 手術を受けた頃のような誠意ある応対はされなかったことは事実です。

2年前、勤務体制に不満をもった多くの医師たちが この病院を退職しました。また、休診日を設けて 医師のQOLを保持するようになったことで、診療費に患者が集中し 慢性的な人不足に陥ったのです。その解消のために週に2日だけ手術日を設定。運の悪いことに、キラの発症は この手術日に当たっていました。
手術を担当する医師は 院長、助手、麻酔医。1日に何件も手術することになるため、その準備にも何人もの医師があたり、外来診療は「イマイチ」な医師が担当することになった、ということでしょうか。

「気胸」という病気は、何らかの原因で肺に穴が開き、そこから漏れた空気が胸腔内に溜まって 外側から肺や心臓を圧迫する病気です。症状の段階によって適切な処置が必要で、
軽度:胸痛。呼吸難。安静に過ごし、自然に穴が塞がることを期待する。
中度:胸腔内ガスによる 肺、心臓への圧迫があり、ドレーンによりガスを抜く必要がある。
強度:開胸して 亀裂・穴を縫ったり、何らかの直接的処置をする手術が必要。
緊張性気胸:中度症状が急激に悪化し、ショック症状。血圧低下。緊急なドレーン処置が必要。

最初に受診した際に、キラの心臓は既に胸腔内に浮いた状態が レントゲンで診れました。痩せたキラが呼吸しても肋骨が浮き出ることがないほど、胸腔内にガスが溜まっていたのです。この状態を軽度と誤診した病院側に、自宅に帰り2~3日安静に過ごすよう指示されました。
この時点で 本来なら酸素室に入れ、点滴で鎮静剤を3日間投与すべきだったのです。もちろん 絶食・絶水。
人の場合は、行動制約を自力でできますが、犬の場合は難しく、伏せている姿勢から座る姿勢になるだけで肺の負担が増すのです。トイレ出し、食事など、あり得ない処置です。

キラへの対応が納得いかず、後日 病院へ診療方針を問いただしにいったところ、最初の段階での誤診の可能性を認めました。また、交通事故による座礁性気胸の経験が1度あったきりで、自然気胸の経験がなかったことも認めました。
この病院にはCTスキャンがなかったことも、病状の診断が正確にできなかった一因と思われますが、医師側に知識がなかったのであれば 結果は同じだったかも。知らないなら、知らないで、別の病院を紹介してくれればよかった、という思いもあります。

帰宅途中に劇症症状が始まり、病院に引き返した後も、酸素室に入れられただけで放置され、40分後にキラの呼吸は止まりました。病院側は 手術の執刀、準備に忙しく、キラの症状段階も見誤ったために放置されたのでした。
この後 蘇生のための緊急措置がとられ 一時 小康状態が保たれましたが、一度「緊張性気胸」状態になった個体には、もう鎮静剤の投与はできなくなりました。血圧低下、呼吸不全などの副作用の可能性があるためです。
劇症症状が始まる前に、鎮静処置を取らなかったことが すべての間違いだったのです。

その後、小康状態を保つキラは、排尿のために院外にも出たし、私の持参した鹿肉も食事として食べました。
もう すべての判断が間違いだらけ。
しかし、病気そのものが難しいものであることは事実なので、亡くなったことについては仕方ないと思っています。

入院している深夜、劇症症状が始まり、私は当直医を起こしに行きました。その医師は、
「お母さんが傍にいるから 犬が期待して呼吸が荒くなる。受付の方に行っててもらいたい」と言ったのでした。症状が始まっても高いびきで寝ていた当直に 言われたくない言葉でした。
キラの胸腔は再び膨らみ、苦しそうなうめき声が続くため、担当医に電話してほしいと泣きついたところ、
「呼んだところで、自分とたった2人では昼間のような処置はできない」とも言われました。
それでも、何度か電話してくれましたが、担当医が駆けつけることはありませんでした。
「キラの呼吸が止まった」と叫ぶ私の声を 電話越しに担当医が聞いたのは、自宅の玄関先だったそうです。
12分後に 担当医は到着しましたが、最初に電話してから玄関を出るまでの40~50分の間、いったい何をしていたのか聞きましたが、黙ったまま何も答えませんでした。

今でも、この深夜の状況が私の頭の中でエンドレスに再現され続けています。どうしようもなく 胸が苦しく、痛みを緩和してやれなかった無力感、酸素室の中のキラに最後の6時間触ることもできなかった無念、様々な感情に 居ても立っても居られないような思いです。
結果が同じでも、医師が一生懸命に対応してくれる姿を感じることができたなら、私の今の苦しみは また違ったものであったのではないか、とも思います。
この病院の診察券には「すべての生命に尊厳を」と書かれていますが、少なくともキラには適応されなかった理念だと思います。結局、医師が キラに積極的処置をしたのは2度で、どちらも呼吸が停止してからでした。

生前、キラのかかり付けの病院がいくつかあったため、お礼の電話と亡くなった報告をしたところ、どの病院の医師も、磯子の病院の対応はおかしい、と指摘してくれました。
命に関わる医療機関の人々には、誠意ある対応と、病気や症状に対する謙虚さを持ってもらいたい、と痛切に思います。
いまさら言ったところで、キラが戻ってくれわけでもないのですが、こうした思いを他の飼い主さん達にはしてほしくないと思います。
また、痩せ型の若いオスが多いドッグスポーツ界で、こうした経緯があったことも 知っていただきたい、と思いました。






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何歳から「高齢犬」?  ~降圧剤~

約5年ほど前に、ヒメちゃんは ある動物病院で「隔壁脂厚型心筋症」と診断され、大学病院に行くことになりました。大学病院での診断は、
「心筋症の疑いは強いが、その診断はまだ時期尚早です。ただ、血圧が非常に高いので、降圧剤を服用してください。」
と言われたのでした。

私は臨床薬が大嫌いです。
薬の薬効が強ければ強いほど、用いることをためらいます。対処療法としては劇的に効果がでるでしょうが、肝臓・腎臓へのダメージがあるし、薬の種類によっては副腎へのダメージもあります。また、薬を服用することによる二次的疾患が出ることもあります。
最終手段として使うしかない場合はともかく、出来るだけ投薬は最終選択肢としたい、と今でも考えています。


「降圧剤」は二次的疾患として、血管系の癌の発症の可能性があります。また、一度飲み始めたら、生涯 飲み続けないといけない弊害もあります。
この時は、降圧剤を用いずに何とか血圧を下げるアプローチをいくつか取り入れることで、うまく血圧を下げることができました。
その後、年齢とともに 歯肉の色が白っぽくなったり、運動を好んでしなくなったりしましたが、一般的な高齢犬と変わらないように見えました。特に、パンティングを起こしたりするようなこともなかったため、大学病院に定期的に通うこともなく過ごしてきました。

1年半ほど前に、「緑内障」を発症しました。
眼に直接アプローチする方法としては、点眼薬のみでしたが、1年間ほどは眼圧のコントロールに成功していました。半年前あたりから点眼薬が効かず、眼圧は60前後です。健常眼圧が15以下であることと比べれば、ヒメちゃんは慢性的な頭痛と眼痛に悩まされている、ということです。

今夏、何度も富士五湖周辺に行ったのですが、散歩するヒメちゃんの様子がとても苦しそうでした。首都圏よりも海抜は1,000メートルほどは高い場所なので、軽度の酸欠なのかもしれない、と考えました。横浜に帰ると、いつも通りのヒメちゃんの様子に戻りましたが、血圧が高くて150前後(犬の血圧はヒトと同程度が望ましい)。
悩みましたが、8月から降圧剤を飲ませることにしました。

眼圧の測定は、月に一度、眼科専門医のところで行います。9月の測定値は、45。健常眼圧から比べれば まだまだ高い数値ですが、このところ半年間の数値に比べれば下がっています。おそらくこれは、降圧剤を用い始めたことが要因だと思われます。

安易に薬を服用させることは避けるべきだと思いますが、今回のことで、薬を極端に嫌うのも弊害がでてしまうのかもしれない、とも考えさせられました。
「緑内障を発症したこと」「失明したこと」、については何とも言えませんが、降圧剤を服用していれば『痛みからの早期の開放』を保障してあげられたであろうことは、間違いないでしょう。可哀想なことをしてしまいました。
来月16歳になるヒメちゃんに、降圧剤のせいで今から癌が発症することも考えにくい、ということも薬の服用を決めた理由です。

高齢犬の場合は、穏やかで快適な生活を保障してあげることが一番の優先事項だと思います。
昨年の初夏~秋にかけて、皮膚が炎症を起こすようになりました。四肢と尾、頭部が赤くなり痒がります。原因は不明です。発疹や虫食われ痕などはありません。昨年は、週に2回、薬浴でしのぎました。今年は、抗ヒスタミン剤を毎日飲ませることにしました。身体の赤味もひいて、エアコンの効いた室内でぐっすり寝ているヒメちゃんを見ていると、「これでいいんだな」などと しみじみ思います。
10月いっぱいまで、抗ヒスタミン剤を飲ませることになるでしょう。

QOLをどう保障するかは、同じ家で飼われていても、個体の 年齢・健康状態などによって違います。
我が家の場合、ヒメちゃんを「高齢犬」と見定める時期が遅すぎたのかもしれません。
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